買い物をしてお礼
最近フト気になっていたことが頭に顕在化してきたのでそれについて。
買い物をしたときに購入者が販売者よりも丁寧にお礼を述べるシーンを見ることありません?
横に並んだレジでお金を払って商品を受け取った人が「ありがとうございます」と言って店を去っていくのを見て、ギョッとすることが増えました。特に若い人かもしれません。これって変ですよね?というか、これは変であるべきなのに、変に見えないことがおかしいと思うのですが、どうでしょうか。
私もどちらかというと過剰に礼を述べるタチなので反省することしきりですが、自戒も込めて白状します。かつて月々の納税に使う用紙をもらって深々とお礼を述べたことがあります。こちらが出向いた税務署のカウンターで、しかも申請したことへの対応なのに。毎月社名と住所と代表社名をいちいち書くのはとっても面倒で、そんなのに限って何度も書き損じたりすることも多く、その作業が無くなっただけで本当に嬉しい!と心の底から喜んでしまったのですが、納税者が専用用紙を手に入れてお礼を述べるとは甚だバカなことであります。ついでに言えば当然のように聞き流す税務署員もどうかと思うけど。
さて話を戻すと、この妙なお礼の原因は二つの理由が思い浮かびます。ひとつに、サービス業の完全マニュアル化、というか形骸化による弊害ではないでしょうか。
ケーキを買うと包んでいる間に持ち歩き時間を聞かれますが、その後にもうひとつ買い足すと、快く包みなおしてくれるけれど、持ち歩き時間をもう一度聞かれます。
支払額にお釣りは無いのに「ちょうどお預かりします」と言われたり。
(おつりを)お確かめください、と言われてレシートを渡されたり。
98円の会計に並んで、手に用意して温まった小銭ピッタリで支払ったりすると、販売員が予定している言い回しが動作に使う時間と合わなくなって、ズレちゃったり。あれってこちらも調子狂うよね・・・苦笑いすることもあります。
もうひとつは販売者の接客レベルの低さでしょうね。やはり、店を去る購入者の背中へは「有難うございました!」の一言で見送るべきで(そこに感謝の念が気持ちのよい情感で表されていれば尚良いけど)お金を払った直後に形式的な挨拶を受けることはあっても、そんな当たり前の挨拶に出会うことも減りました。
そういう店は、概ね購入者の気持ちと販売員の呼吸が合っていないから、気の効く人には居心地が悪く感じてしまうのではないかなと思います。きっと気の効く人が「場持ちの悪さ」というか「居心地の悪さ」を早々に察知してしまうから、会話の「間」を埋めるために、購入者が丁寧にお礼を言うハメになるのではないだろうか。。。
接客業の面白さは、丁丁発止というか今風に言うとライブ感みたいなところではないでしょうか。どんな相手であろうとも、一時の時間を共有し、気持ちよくお帰りいただく。そこに味をしめた客が、つい又足を運んでしまう。嫌な人を相手にする時ほど手練手管が要るし、再来店したら心の中で「してやったり」と。そんな人間くささが出る方が楽しめる職業だと思うけれど・・・。接客業の皆さん、対応は臨機応変に、マニュアル接客は返上しましょうよ!
そうそう、場持ちの悪い時はこちらもあえて無言で退場する図太い神経が身に付きましたが、たまに頭が下がるほど親身に接客してくれる方にも出会います。そういう場合、どうしますか?大抵、そのような販売者は丁寧にお礼を言ってくださるので、こちらも丁寧にお礼を言うとお礼の言い合いとなり、こちらの感謝の気持ちが白けた空気に変わる気がして、どうもスマートさに欠けますよね。
私は最近、退出の際に、なるべくサラリと「お世話になりました」と言うようにしています。これ、どうだろ?感謝の気持ちもこもっていて、言われた方も満更でもない様子で、ちょっと大人っぽい。これって素敵じゃないかな?若い人には言いにくいかなぁ、でも今度からこっちにしようよ!ねぇみなさん!!


