ドコモの「反撃」はつまらない
私はかつて駆け出しのころ、地方のドコモさんに大変お世話になった。仕事の酸いも甘いも教えていただいた、貴重なスポンサーさんのひとつであり今でも当時の経験には感謝している。
しかし、最近始まったキャンペーンは何だかおかしい。デザインのAUと呼ばれ、バラマキ・叩き売りが得意なyahooの参入で、ドコモは確かに影が薄くなる一方だった。ユーザーとしても、個人的な思い入れからしても、寂しい限りだった。だから動きがあれば気になる程度には意識していたのである。
「さて。そろそろ反撃してもいいですか?」のCMコピーはひどいな。それは客に問うことなのかな。「業界一番手だった僕たちなのに、最近パッとしなかったよね」ということを了承しないと、あのフレーズの持つ意味が飲み込めず、押し付けがましいのだ。しかもあのフレーズを読むと直感的に気分が悪くなる。どうしてなのか、イヤミを言われた後のような気分にさせられる。
しかもなぜ2.0なのか。2.0ってFOMAのバージョンか?700と900の位置付けがショップの店員ですら満足に説明できないのに、混乱を招くような数字を、意味もありげに最前面に押し出すのか。これがフックなんですよとでもプレゼンされたのか。今や2.0と言えば「web2.0」である。これからのトレンドと言われてしばらくが経ち、CMプランを練っていたころには、市井のクリエイターにもその意味がおよそ解ってきた時期だったろう。
きっと、インターネットが当たり前のツールになった今、これから先の「次世代の常識」と、業界一番手を奪取した後の自らの存在が「次世代の常識」になることをなぞらえて、自分たちの意気込みを伝えたかったんだろうなと思う。しかし、web2.0なんて一般人にどれだけの認知があるのか。しかも詳しい人から見れば、もはやフレッシュなキーワードではないと思うのですが。どうも周回遅れなニオイが漂ってくるところもサムいなぁと感じます。
蓋を開けてみれば、ちょっとトガった芸能人の大量採用でショートストーリーが流れるだけ。これが反撃かと思うと安易さに腹が立つ。ストーリーを作るからにはオチぐらいあるだろうけど、スポンサーがドコモじゃなくても十分に楽しめるものである。媒体料だってバカにならないだろうに。あんなCMプランを嬉々として採用しているから、ブランドが安っぽくうつり、結果的に一番手から転げ落ちるのである。
NTT本体から分離した以外はほぼ純粋培養であったドコモという企業が持つ、良いイメージがかつては確かにあった。ひいき目の私の頭にはわずかに残っていたハズなのに、あのCMのインパクトに流されて、ついにその欠片も上書きされ忘れてしまった。それが残念で悲しい。


